大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(あ)1581 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人塚本重頼の上告趣意第一点について。

引用の高等裁判所判例は本件に適切を欠き、所論は刑訴四〇五条の上告理由に当

らない。(本件の如く、業務上横領罪の訴因を肯定した第一審判決の認定に対し、

被告人が控訴審において判示金員に対する被告人の占有は業務に基くものでないか

ら業務上横領罪が成立しない旨抗争している場合において控訴審が右の主張を理由

があるとして単純横領罪と認定するには訴因変更手続を経ることを要しないものと

解する。)

同第二点について。

憲法三七条二項は、裁判所は当事者が申請した証人を悉く喚問しなければならな

いことを意味するものでなく、証拠の採否は裁判所の裁量に任されているものであ

ること並びに同条一項にいう「公平な裁判所の裁判」とは、その組織、構成等にお

いて偏頗な裁判をする虞れのない裁判所による裁判を意味し、所論のような事由を

もつて同条項に違反すると解すべきものでないことは、いずれも当裁判所のくり返

し判示しているところであり、所論はその実質において裁判所の裁量に属する証拠

の採否を非難する単なる訴訟法違反の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当

らない。

同第三点ないし第一三点について。

所論中引用の判例は本件に適切を欠き、違憲の主張は実質において採証法則違反

及び事実誤認の主張に帰し、その余の所論はすべて単なる法令違反、事実誤認及び

量刑不当の主張をいでず、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同上告趣意補充については、既に上告趣意第三点、第四点、第一三点について示

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した判断を引用し、重ねて判断を示さない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三六年一一月一〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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